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絶滅

VOL.148  2008.1.12

 

        生物多様性

 

 「自然とともに歩んできたBBCの活動を総括するプロジェクト、www.loveearth.com を通じて動物や自然を知り、愛することによって、地球を守ろうという心をもってもらいたい」        アマンダ・ヒル

 

本日は、日本国政府第三次生物多様性国家戦略(2007年11月)から。

 

 「人間は生物多様性を構成する生物種のひとつである。人類も生物であり、他の生き物との繋がりの中で生きている。まわりの生き物達がいなくなれば、ヒトも生きていくことは出来ず、生物多様性の恵みがあることで初めて、私達も暮らしていくことが出来る。生物多様性の豊かさが暮らしの豊かさに繋がる。

 生命誕生以来40億年、地球上の生物総種数は500〜3,000万種、既知の生物175万種、哺乳類6,000種、鳥類9,000種、昆虫95万種、維管束植物27万種。これらの生命は、ひとつ一つに個性があり、それぞれが網の目のように繋がっている。地球環境は、そうした生きものの膨大な繋がりとその相互作用により、長い年月をかけて創られてきた。自然の世界、生物多様性という世界は非常に複雑なバランスのもとに成り立っている。

 

 地球は46億年前に誕生、原始の海の中で有機物から原始生命体が出来たのは40億年前、光合成を行うラン藻類などが出現、大気中の酸素が増え始めた。その酸素をもとに地球を取り巻くオゾン層が形成され、太陽からの有害な強い紫外線を防ぎ、現在の大気構成となって安定した気候が維持され、気温が安定したことで豊かな水があり、雲の生成や雨を通じた水の循環が生まれ、それが多くの生きものを育むという好循環が地球環境を支え、陸上に生命が進出できる環境が出来た。植物が陸上に進出して太古の森を創り、動物もその環境の中に上陸し、陸上の生態系が形成され始めた。

 数え切れない生命とその繋がりによって地球の大気や土壌が形成され、次の時代の生命はその前の時代の生命が創り上げた環境の上で進化するということを繰り返してきた。環境の変化に適応できなかった種が絶滅するとともに多くの種が生まれ、現在の3,000万種ともいわれる生命とその繋がりを創り上げてきた。人間は、酸素を含む大気や命を創り出すことは出来ないのは勿論、生き物たち同士の関係すら分からないことが多い。現在、私たちのまわりにある生物多様性は、地球の長い進化の歴史の中で受け継がれ、時間をかけて育まれて来たかけがえのないもの。私たちの命は地球上の総ての命とともにある。

 

  地球上の生物は、生態系というひとつの環の中で深く関わり合い、繋がり合って生きている。私たちが呼吸している酸素(大気の20%)は、 多様な植物の数十億年にわたる光合成により創られてきたもので、森林をはじめとした植物が二酸化炭素を吸収し、酸素を放出することで、動植物が呼吸できている。

 栄養豊かな土壌は、生きものの死骸や植物の葉が分解されることにより形成され、生命の維持に欠かせない水や生きもの豊かな海に不可欠な窒素・リンなどの栄養塩の循環には、森林などの水源涵養の働きや栄養塩の供給が大きな役割を果たしている。気温・湿度の調節も大気の循環や森林などの植物からの蒸散により行われ、人間を含む総ての生命の生存基盤である環境は、こうした自然の物質循環を基礎とする生物多様性が健全に維持されることにより成り立っている。

 

 私たちの生活は、各種生態系サービス(ecosystem service:生態系から得る食料・水・気候の安定などの便益)に支えられており、食料・淡水供給などの生態系サービスが変化すると、選択と行動の自由も影響を受ける。ミレニアム生態系評価(MA、2001〜05年)では、24生態系サービスのうち、向上は4項目(穀物、家畜、水産養殖、気候調節)、15項目(漁獲、木質燃料、遺伝資源、淡水、災害制御など)は低下か持続出来ない形で利用されている 。

 生物多様性条約では、生物多様性をすべての生物の間に違いがあることと定義、生態系・種間(種)・種内(遺伝子)の3つのレベルでの多様性があるとしています。ある生物種の集団が遺伝的に多様であれば、環境が変化した場合に生き残る確率が高くなり、反対に、生息地分断や個体数減少による遺伝的多様性減少は、近親交配による障害、集団内形質の画一化によって病気が蔓延した場合など、環境変化に対応する能力を減少させる。

 ヤナギの樹皮から合成されたアスピリン(鎮痛・解熱効果)、八角(トウシキミの実、中華料理の材料)から抽出したリン酸オセルタミビル(インフルエンザ薬)など、生き物の機能や形態はそれぞれの種に固有で、このような性質は遺伝により次世代に受け継がれる。それぞれの種が持つDNA遺伝情報は、40億年という生物進化の歴史の中で創り上げられてきた。人間は、その長い歴史に支えられた様々な生きものの機能や形態を利用し、伝統的に多くの植物をはじめとする生き物が医薬品として使われてきた。豊かな遺伝情報を有する様々な生きものを原料とした新薬開発は活発に行われており、今後も私たちの生活を支えていく。

 2005年の世界森林面積は39億5千万ha、陸地面積の3割。 熱帯乾性広葉樹林や温帯広葉樹林の1/2以上、温帯草原の2/3以上が1990年迄に改変され、地球の木材生産量は2000年迄の過去40年間に60%増加、森林面積の40%は工業化時代に失われた。 過剰な耕作や放牧など資源収奪的な生産、過剰な伐採や違法伐採、森林火災などで、依然として熱帯林を中心に農地拡大や森林減少(1,290万ha/年、特にアフリカ・南アメリカ )・土地の劣化・砂漠化が続いている。森林の減少面積は、植林 ・植生修復・自然回復による増加面積を差し引いても730万ha/年(日本の面積の1/5)。

 地球表面の70%は海洋、生物多様性が豊かな沿岸域生態系は人的活動により大きな影響を受け、藻場・干潟・サンゴは減少。20世紀末数十年間で、世界のサンゴ礁の20%が失われ、さらに20%が劣化、過去20年間でマングローブの35%が失われた。漁獲量は1980年代後半以降、技術が向上し努力量が増加したにもかかわらず減少。世界の水産物需要は伸びている一方、現在、海産資源の1/4の魚種は乱獲により著しく枯渇。特に食物連鎖上位の魚(マグロ、タラなど)が減少、海洋生物多様性が低下。

 化学物質の開発・普及は20世紀に入って急速に進み、現在、影響について未知の点が多い多くの化学物質に生態系が長期間暴露されるという状況が生じており、海洋環境汚染により、重金属類、有害化学物質、赤潮による海洋生物への影響や、海洋に放出されたプラスチックなどの漂流・漂着ごみをウミガメなどの海棲動物が餌と間違えて飲み込むなど、野生生物への被害が見られる。

  生態系サービス低下は、21世紀前半にさらに進行する。哺乳類、鳥類、両生類の種の10〜30%に絶滅のおそれがある。過去50年間、人間活動により生物多様性に大規模で加速度的かつ不可逆的な変化が発生、多くの生態系サービスが低下、貧困が悪化。解決の努力をしなければ将来世代が得る利益が大幅に減少。生態系劣化を減らし、生態系サービスへの需要増に対応する為には、政策・制度・慣行の大幅な見直し・転換が必要。

 

  現代は第6の大量絶滅時代。人類は、たくさんの生き物たちに支えられている一方で、たくさんの生き物たちを絶滅させてきた。世界生態系の構造・機能が20世紀後半に人類史上かつてない速さで変化、人間は種の絶滅速度をここ数百年で1000倍に加速させ、人間が根本的に地球上の生物多様性を変えつつある。 生命40億年に比べ、つい最近、30万年前に誕生した一新種に過ぎないホモ・サピエンスが環境を変える大きな力を持っている。

 米国に6,000万頭いたバイソンは1千頭に激減、50億羽いたリョコウバトは絶滅。カナダでタイセイヨウダラが急激に減少。ホッキョクグマは、体重・出産数が減少、1975年以降、氷が溶け始める時期が徐々に早くなったため、アザラシを捕獲する期間が短くなり、栄養蓄積が不十分 。

 環境変化を許容できない場合、“その場所で進化することによる適応”か、“生息できる場所への移動”のいずれかで対応出来なければ“絶滅”する。温室効果ガスの人為的増加による急速な気候変動は、生物種や生態系が適応できるスピードを超え、多くの種の絶滅を含む大規模な影響を与える。このままの速度で生物多様性が損なわれていけば、早晩私たち人間も“絶滅”、私たちが引き起こした環境悪化で人間自体が滅びること程愚かなことはない 」

 

 一年で消失する森林面積が日本の1/5ということは、5年で日本まるごと、10年で日本2つ分の森林が地球から失われていく計算。棒の先でボール殴ってる時代は終わった。日本のゴルフ場2341箇所、これを1割残して、あとの2100箇所、総て明治神宮にする。明治時代まで、あの代々木の辺りは唯の草っ原だった場所、それがあれだけの見事な森になった。7月の洞爺湖サミットでは、全世界のゴルフ場の9割を森林に戻す、これを、明治神宮の実績データを挙げ、効果を試算&検証、法律を整備、実行に移し、率先して全世界にお手本を示して下さい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

生物多様性

 

日本の植生自然度の変化状況        環境省自然環境局生物多様性センター 自然環境保全基礎調査 植生調査

 

日本総面積 377,915km2    森林面積 24,473千ha    平成17年

 

 

























VOL.149  2008.1.19

 

        日本生物多様性

 

 「絶滅危惧種が見直し前(2000年)の2,694種から3,155種に」   新レッドリスト 環境省 2007年8月

 

本日も、日本国政府第三次生物多様性国家戦略etc.最新知見から。

 

 日本の生物種数は9〜30万種超、狭い国土 ながら豊かな生物相で、陸棲哺乳類、維管束植物の4割、爬虫類の6割、両生類の8割が固有種。先進国で唯一野生サルが生息、クマやシカなど数多くの中・大型野生動物が生息。降水量が豊かで自然遷移が進む中 で、明るい環境を好む多くの植物や昆虫類が生育・生息してい るため、湿原、草原、氾濫原、二次林などの生態系が、明るい状態を保っている 。

 南北3,000kmにわたる国土、季節風による四季変化、標高差や数千の島嶼を有し、大陸との接続・分断など、火山噴火や急峻河川の氾濫、台風など の攪乱によって、多様な生息・生育環境がつくり出されてきた。さまざまな段階の生態系が、さまざまな緯度、標高、水環境に立地することで、日本は非常に豊かな 自然環境、生態系の多様性を有している。


        絶滅危惧種

 日本に生息・生育する爬虫類 ・両生類・汽水・淡水魚類の3割強、哺乳類・維管束植物の2割強、鳥類の1割強 の種が、絶滅のおそれがある。生物が減少する原因は、森林 ・氾濫原・草原・湿地の減少・消失(他用途転用、河川の直線・固定化、農地開発、沿岸域埋立)による生息地・生態系の分断・劣化・縮小・破壊・消失、生物資源の乱獲・盗掘・過剰採取(鑑賞用や商業利用)など直接的な生物採取、人間の働きかけ縮小・撤退に伴う環境変化、外来種による生態系喪失・攪乱など。

 【哺乳類(6種減)42種 】 コウモリ類46種で、ランクの下がった種13種。イリオモテヤマネコはランクが上がったほか、ジュゴンを新たに絶滅危惧種に。ヤクシマザルとホンドザルは、個体数増加からランク外 。
 【鳥類(3種増)92種 】 ランクが下がった種11種、新たな絶滅危惧種9種を含め、ランクが上がった種26種。サシバが新たに絶滅危惧種、オオタカは準絶滅危惧種に。
 【爬虫類(13種増)31種】 うち30種は南西諸島に生息。
 【両生類(7種増)21種】 サンショウウオ類19種のうち11種が絶滅危惧種 。
 【汽水・淡水魚類(68種増)144種 】 タナゴ類などのランクが上がった。琵琶湖のニゴロブナ、ゲンゴロウブナも新たに掲載、オオクチバスなどの外来種による影響。ムサシトミヨやヒナモロコ、メダカは 、引き続き絶滅危惧種 。
 【昆虫類(68種増)239種 】 ゲンゴロウ類についても多くの種のランクが上がる 。
 【貝類(126種増)377種 】 河口部などの汽水域に生息する種の多くが絶滅危惧種、陸産貝類(カタツムリなど)の生息状況が悪化 。
 【その他無脊椎動物(23種増)56種】 シオマネキのランクが上がり、カブトガニは引き続き絶滅危惧種 。
 【維管束植物(25種増)1,690種】 キレンゲショウマなどシカの食害によって絶滅危惧種に。アサザ、サクラソウ、サギソウなど保全努力の結果、準絶滅危惧種となった種も 。
 【維管束植物以外(134種増)463種 】 特に湖沼、ため池などに生育する藻類について絶滅危惧種となった種が多い。

 

 戦後、日本は急速な変化を遂げ、1955〜95年に実質GDPは10倍以上の481兆円。1960〜95年に製造品出荷額は20倍の309兆円、建設投資額は30倍以上増加。宅地面積の年間増加面積は、1940年までの50年間の平均と比べ60年代で10倍強、70年代で20倍弱と、急激に面積が 増加。
 第一次産業就業人口は、戦後50%弱から2000年に5%。基幹的農業従事者数は、1960年の1,175万人が05年に224万人、高齢者割合は、1980年代までの20%前後が05年に57%。干潟面積は、1945〜94年に4割減少。東京湾ほぼ全域に分布していた干潟が、今では三番瀬と盤洲干潟などに小さく残されているのみ。湿地は6割以上が消失。自然林や二次林は昭和30〜40年代に多くの面積が減少、自然海岸は本土で5割を切るなど急激に生物多様性が損なわれていった 。
 特に70年代にかけて、エネルギー源が薪炭から石油などの化石燃料にシフト、化学肥料生産量が急激に増加、農村地域における薪や堆肥などの生物由来資源の利用低下、里山林や野草地との関わりが希薄に。結果、萌芽更新や火入れなど人為的管理により維持されてきた里山林や野草地が放置、急激に減少、かつては普通に見られた里山や草原に生息・生育する多くの動植物種が絶滅の危機に 。

 1995年以降実質GDPは微増、製造品出荷額・建設投資額は減少。沿岸域の埋立面積は年間800ha程度で横ばい、農地・林地から都市的利用への転換面積も年間1.7 万haで横ばい、緩やかになってきてい るが、なお新たな開発は続いてい る。今後、人口減少が進む中で、特に既開発地の再開発を中心とすることが 出来れば、全体としての急激な開発圧力は現在よりも減少。2050年、総人口は1億人を切り、高齢者が40%に。地方の中枢都市以外の地域では、人口が現在の7割に 。一層の過疎化が進み、地域によっては集落が存亡の危機。

  経済・社会のグローバル化に伴い、輸入額は、1950〜2005年に1,638倍の57兆円、貨物輸入量は78倍の8.2億トン。1965〜2004年に、年間入国者数が41倍の2,400万人。生きている動物は2006年に、ハムスターなどの哺乳類(家畜を除く)が30万頭・匹、鳥類(家禽を除く)が4万羽、カメ類などの爬虫類が50万匹、昆虫類が6千万匹、観賞魚6千万匹超を輸入。ペットなど動植物の輸入は野生のものも含まれ、日本と相手国の生物多様性に影響を与える。

 

        7 つの地域区分

 日本の生物多様性は、地形・地質や気候などの自然的基盤と、その上に積み重ねられ
てきた人々の長い年月にわたる暮らしの営みによって形づくられてきた。 私たちの暮らしは、自然の健全な生態系に守られている。陸域 ・沿岸・海洋域も含め、生態系ネットワークが分断されている場所では、その繋がりを取り戻すことが必要。

 

【奥山自然地域】  ・・・・ 脊梁山脈など相対的に自然性の高い地域
 国土の19%。原生的自然、水源地、自然林(18%)・自然草原(1%)の自然植生の多くが分布。 急峻な山岳地、半島部、島嶼といった人為の入りにくい地域に分布。クマ、カモシカなど大型哺乳類やイヌワシ、クマタカなど猛禽類の生息域。動植物が将来にわたって存続していくための核となる地域(コアエリア) として重要。急峻な所では、地形改変により一度植生が失われると回復困難、特に高山・特殊岩地生態系は人間活動に対し脆弱 。

 1978〜2003年で、シカ、カモシカ、サル、クマ、イノシシ、キツネ、タヌキの7種すべてが分布域拡大。ニホンジカの生息区画率が24%から42%に増加、ニホンカモシカでは17%から29%に。南アルプスや日光など15国立公園でシカによる希少高山植物の食害や森林での樹皮はぎなど 。下北半島や西中国地域のクマなどのように、生息地分断などにより地域的に絶滅のおそれがある野生生物も。ライチョウは、平均気温が3℃上昇した場合、高山帯縮小に伴い絶滅する可能性が高い。

【里地里山・田園地域】  ・・・・ 自然の質や人為干渉が中間的な地域
  国土の75% 。二次林(24%)、植林地(25%)、二次草原(3%)、農耕地(23%) 、水田、水路、ため池など。自然林や氾濫原などのあとに成立した二次的自然といわれる地域 、薪炭林・農用林などの二次林、採草地などの二次草原は、以前は経済活動に必要なものとして維持、人の手が加えられた地域は、オキナグサオオルリシジミなどその環境に特有の多様な生物を育んできた。

 明治時代まで、牛馬飼養や堆肥生産のため、関東以南では広く草山が広がり、必要な資源を得た一方、広大な草原・湿地は多くの昆虫類などの生息場所に。農地、草原、溜め池などさまざまな形での人間による攪乱 でモザイク状に入り組んでいた生態系が、 多様性を失ってきており、堤防がつくられ洪水氾濫が少なくなることで攪乱減少、サシバヤイロチョウギフチョウ、カタクリ 、メダカなど数多くが絶滅危惧種。分布域大幅縮小は、ウズラアカモズチゴモズなど、外来種では、ベニスズメ が縮小、ソウシチョウガビチョウが分布拡大。

 昭和30年代以降、二次林放置が増え、二次草原は大幅減少、草山はおろか、原っぱすら少なくなった。昭和50年代からは過疎化・高齢化に伴う耕作放棄地増加、未収穫作物放置、狩猟者減少、積雪量減少などで中・大型哺乳類が増え、1983〜2003年で、シカ1.7倍、サル1.5倍、イノシシ1.3倍に生息域拡大。2006年、農作物被害額196億円、ツキノワグマによる人身事故140件、4,300頭が捕殺。 人工林は、採算性低下・生産停滞から、間伐などが行われないことで、森林の水源涵養、土砂流出防止機能や生物生息・生育環境の質の低下が懸念。奥山地域に近く、手入れしないで自然林に移行するミズナラ林やシイ・カシ萌芽林などは、自然遷移に委ねることが適当。

 コムクドリは、1978年以降産卵時期が早くなっている(0.73日/年)。地球温暖化が進行すると、ニカメイガ、ツマグロヨコバイなど害虫発生量増加、発生地域・時期 が変化、イネの収量・品質低下。ウンシュウミカンの栽培適地北上 。ヨモギヤマハギなど外来種による遺伝的攪乱のおそれ。農作物受粉に利用されるセイヨウオオマルハナバチは、在来のマルハナバチとの営巣場所をめぐる競合や、受粉に寄与せずに蜜を吸う習性による繁殖阻害。ペットが野外に定着、分布拡大しているアライグマによる、農作物被害や在来種捕食など。

 温室効果ガスを削減するには、森林の劣化・減少を防ぎ (炭素を樹木 ・土壌に固定)、湿原・草原を保全 し(炭素を泥炭・土壌に貯蔵)、不耕起農法を実施する。生態系の適切な管理 (人工林間伐、里山林管理、水辺の草刈り、二次草原の採草など)によって生じる草木質系バイオマスを、ペレットストーブ、バイオエタノール、草資源 発電などとして利用、木材の住宅用資材利用も、長期に炭素を貯蔵する。

        森林

 日本の森林は67%、スウェーデン70% 、アメリカ33% 、イギリス12%。北海道東部のエゾマツ・トドマツ林や本州北部のブナ林、中部太平洋側のスダジイ林など重要植生が396地域に分布。自然林から人工林までさまざまなタイプの森林が多様な野生動植物が生息・生育する場となるなど 生物多様性の重要な構成要素。

 キノコや山菜、木の実など豊かな恵み、森林は風土が育む食材の宝庫。間伐・広葉樹林化・長伐期化など、 生きものが多く生息・生育する多様で健全な森林整備、川づくり ・河畔林保全は、災害・土壌流出防止、安全な飲み水確保に寄与 、自然地形 に従って居住環境を整備することも安全な暮らしに寄与する。

        農地

 日本は豊かな水と肥沃な土壌に恵まれ、農産物はさまざまな生き物との繋がりの中で育ち、クモなどの益虫は農地で害虫を含む多くの虫を食べることで命をつなぎ、農産物の生産を助けている。水田をはじめ農地には多様な生き物がいて、その生きものの循環を利用し、動植物を育みながら農産物を生産している。農業は食料生産に加え、多様な生き物も生み出す活動、環境に配慮した農薬・肥料など適正使用を進め、有機農業をはじめ環境保全型農業を積極的に進めることが、生物多様性保全、安全な食の確保に寄与する 。

 日本人の主食は、コメ、コムギ、ソバなど数種。国内だけで維管束植物は7,000種以上。多くの野生種から最も有用な生物を選抜 ・交配していく歴史が、農業の進歩。特定の生物を改良、効率を上げることで豊かになってきたが、品種改良は一様化という面も 。選択肢を広げるために近縁植物の豊かな遺伝資源 の健全な維持 が必要。効率的効果的な農産物生産を支えるものとして生物多様性は重要。

  特色ある風土は、地域固有の生物多様性と深く関係し、さまざまな食文化、工芸、芸能などを育む。食文化は地域でとれる野菜や魚、キノコなどの食材を、その土地にあった方法で調理することで生まれ、雑煮も、材料や調理法、餅の形まで地域によって特徴がある。日本は高温湿潤なため発酵食品が発達、漬け物、馴鮨、味噌、しょうゆ、日本酒などは地域に適した微生物、気候、水、食材が複雑に関係。

 

【都市地域】  ・・・・ 人間活動が優先する地域
 国土の4%、高密度利用、高環境負荷集中、緑地は極少。ヒバリやホタル類など多くが郊外に後退、斜面林・社寺林・屋敷林など島状に残存する緑地に孤立して生きる生物、カラス類やムクドリなど人為的環境に適応可能な生物が生息・生育。お堀や河川、水路に生息する魚類などは少なく、ミドリガメ、緑化植物など外来種がはびこる。自然とのふれあいニーズは急速に高まりつつあり、自然との付き合い方を知らない子どもや大人が増加。

 ソメイヨシノの開花日は、50年間で4.2日早まっている。気温上昇により媒介生物の分布拡大、大規模な感染症流行の感染リスク高まる。日本に生息しない毒を持つセアカゴケグモが関西地方に、ハイイロゴケグモが沖縄県などで確認。夏に訪れるツバメは、主にフィリピン、インドネシア、マレーシア、ベトナム南部で越冬、台湾は 重要な中継地。日本にやってくる夏鳥たちは、日本の生息地保全とともに、アジアの国々の越冬地が保全されていなければ生きていけない。

  都市において、豊かな生物多様性を確保するため、その核(コア)となる、まとまった規模での生き物の生息・生育空間の確保が重要。現在、豊かな森林生態系が見られる明治神宮の森も、100年先を考えて人の手で創られてから、100年近い年月を経て今のよう な豊かな森になった 。人工的に造成し、現在では豊かな生物多様性を有している明治神宮の森を参考に、都市の中や臨海部に、森とも呼べる大規模な緑地空間の確保を。

【河川・湿原地域】  ・・・・  森や里と海をつなぐ生態系ネットワークの軸となる水系
 河川、湖沼、湿原、湧水地など。魚類・水生生物・水鳥などが生息・生育。土砂や栄養分、汚濁物質を下流へ運び、海からサケやウナギなどが遡上。特に湿原は生物多様性が豊かで、人為影響に脆弱。河川沿い氾濫原の湿地帯や河畔林は、農地・宅地 などとして開発 、河川改修や流量減少、水循環経路変更や分断、砂礫の供給減少、攪乱減退や水質汚濁などで、水草の1/3 の種など多くの絶滅危惧種が存在。環境改善でアユの遡上回復も。

 カワウは、かつて生息数が大幅減少、水質改善や食物資源増加、コロニー保護などにより、急速に分布・生息数が増加、アユ、オイカワなどを食害するなど漁業被害が生じ、フンにより樹木が枯れる被害も 。アオサギは分布域大幅拡大。シギチドリ類の一部の種も繁殖分布縮小。冬鳥、マガン・オオハクチョウなどの多くは夏の間シベリアで繁殖、冬を日本などで過ごす。淡水湿地に主に依存するマガン、ヒシクイなどでは、越冬地の北上が1990年代以降顕著、北海道で定期的に越冬する群れが現れ、分布が拡大。シギ・チドリ類は、干潟を 渡りの中継地として春秋に利用、クロツラヘラサギは黄海沿岸の離島で繁殖し日本で越冬。小形サギのオオヨシゴイは絶滅危惧種 。

 タンチョウは、給餌や 生息環境保護によって数十羽から千羽程度まで個体数回復、遺伝的多様性は非常に低い。個体の人為的移動・移入による遺伝子攪乱も、種内の遺伝的構造を乱す。ゲンジボタルの発光周期は遺伝的特性の違いで西日本と東日本で異なっている。東京都に中部や西日本の遺伝的特徴を持ったものがかなり見られ、人為的持込による影響が。オオクチバスなどは広範囲に分布、在来種の捕食による生態系や漁業への影響が。カミツキガメにかまれる被害も。

  水は生命の源であり、森林と海は河川でつながり、土砂の移動により干潟・砂浜などが形成されるほか、森林から供給される栄養塩類は川や海の魚をはじめとする生きものをはぐくみ、豊かな里海を創る。里 では、河川や湿原のほか、水田、ため池や水路などの人が築いてきた水系も含め ネットワークが形成、魚類などが移動などに利用。河川、湖沼、湿原、湧水、ため池、水路、水田などを途切れなく結ぶ生きものが行き来できるネットワークの形成を。

【沿岸域】  ・・・・ 海岸線を挟む陸域及び海域
 35,000km(地球の3/4周)の長く複雑な海岸線、豊かな生物相を持つ干潟・藻場・サンゴ礁など。里海。負荷・栄養物質や淡水が流入、水産資源生産、水質浄化など。人口・産業集中、埋立て、海岸線人工化、水質汚濁や河川との分断・減少の強い圧力 から、干潟などが減少・劣化、沿岸漁業の減少、底生生物に影響。干潟のカブトガニやシオマネキが絶滅危惧種。大型海藻海中林などが著しく衰退する磯焼け、サンゴ白化、漂流・漂着ごみによる影響も。

 島国日本は、暖流と寒流がぶつかる豊かな海に恵まれ、海洋、沿岸の藻場・干潟、川や湖で獲れる数え切れないほど多種類の魚貝類、イカ・タコ類、海藻など 自然の恵みが食卓に。サケ、マスが海から河川を目指し、春にアユの遡上が見られ 、ウナギやマグロも、シラスウナギや小マグロを獲ってきて養殖したものを含め、多くを自然の力に依存 。

 温暖化で漁獲対象種の生息域北上、漁場・漁期が変化、1985年以降、北海道道南のキタムラサキウニが、宗谷地方でも多く獲れるように。亜熱帯 〜熱帯沿岸域を生息地とするナルトビエイが、有明海 ・瀬戸内海で大量生息、アサリやタイラギへの漁業被害、漁業へ悪影響を与える生物の北上も。

 日本で孵化したアカウミガメは、北アメリカ沿岸まで回遊し成長、日本に戻って産卵 。河川に遡上するウナギも、北太平洋マリアナ諸島沖で孵化。日本で孵化したサケがベーリング海などを回遊、日本で繁殖しているザトウクジラが北アメリカ沿岸を餌場としているなど、多くの回遊魚 ・海棲哺乳類が国境と関係なく広範囲の海を利用。渡り鳥やウミガメ、海の哺乳類の一部などは環太平洋諸国から日本にやってきており、日本の生物多様性は、アジア地域とのつながりが特に大きい 。

【海洋域】  ・・・・ 沿岸域を取り巻く広大な海域
 国土の12倍。海洋は地球表面の7割、水循環の巨大なストック、膨大な熱エネルギーにより気候形成、COの大きな吸収源(シンク)。陸上の気候、動植物の分布や生態系も海に強く影響され、親潮・黒潮 ・対馬暖流と寒冷・温暖な水塊が遠隔地の生物とともに運ばれてくることで、多様な環境が形成、日本海溝など深海の変化に富んだ海洋構造が、海洋の生物多様性を豊かなものに。日本近海は同緯度の地中海や北米西岸に比べ海水魚種数が多く、世界に生息する112種の海棲哺乳類のうち50種(クジラ・イルカ類40種、アザラシ・アシカ類8種、ラッコ、ジュゴン)、世界の15,000種の海水魚のうち3,700種が生息。

 各国から排出されるごみや有害化学物質、船舶流出油などが生態系に影響。世界中の海がつながっており、広く移動する魚類が多くあることなどの点も含め、地球規模の海洋の生物多様性に依存 。

【島嶼地域】  ・・・・ 沿岸域・海洋域にある島々
 3,000以上もの大小さまざまな島嶼、小笠原諸島や南西諸島をはじめ海に隔離された長い歴史の中で、独特の生物相が見られる。小さな面積の中に微妙なバランスで成り立つ独特の生態系が形成、生息・生育地の破壊や外来種侵入による影響を受けやすい脆弱な地域。もともと分布が非常に限定された地域固有種が多く、人為的な影響も受けやすいことから、島嶼地域に生息・生育する種の多くが絶滅のおそれのある種に選定。

 ジャワマングースは生息地拡大、ヤンバルクイナアマミノクロウサギなどの希少な野生生物の捕食者として大きな脅威、養鶏や農作物への被害も。小笠原諸島のノヤギや沖縄本島やんばる地域のノネコのように、もともとその地域には生息しなかった生物が持ち込まれることにより影響を与えること も。

 

        産業

 長い年月をかけ進化・適応してきた生き物たちは、人間の技術では真似出来ない素晴らしい機能や能力を多く持っている。カイコからとれるシルクは通気性、吸湿性、肌触りに優れ、紫外線をカット 、役割を終えた後は自然に分解され生態系に負担をかけ ず、化学繊維技術が発達しても完全に真似出来るものではない。渡り鳥が少ないエネルギーで長距離を飛べることは、飛行機ではとても真似できない。自然界にある形態や機能を模倣(バイオミミクリー )、ヒントを得ることで、画期的な技術革新をもたらすことが 出来る。カワセミの嘴をまねた新幹線デザインや、ハス葉の表面を真似 た汚れの付きにくい塗装開発など、豊かな生物多様性は、産業への応用、将来の技術開発の可能性を秘めた宝の山。

        文化

 島国日本は、暖流と寒流がぶつかる豊かな海に恵まれ、四季変化があり、湿潤気候は豊富な降雨をもたらし、多くの動物が棲み、さまざまな植物が息づいている。古来、豊葦原瑞穂国と呼ばれ、すべてのものが豊かに成長する国土で日本人は四季とともに生きる文化を育んできた一方、地震や火山の噴火、土砂災害など常に自然災害と隣り合わせの生活を余儀なくされて来た。

 豊かで荒々しい自然を前に、古来より日本人は、農業や林業、沿岸域での漁業の長い歴史を通じ、自然を尊重し、自然と対立するのではなく、自然に順応した形で様々な知識、技術、特徴ある芸術、豊かな感性や美意識を培い、多様な日本固有の文化を形成、その中で、多くの生きものや豊かな自然と共生する、生きとし生けるものが一体となった自然観がつくられてきた。地域によって異なる伝統的な知識や多様な文化は各地の豊かな生物多様性に根ざしたもの。

 日本では、長い時間をかけて農作物生産などのために畑、水田、溜め池、草地などを形成、その際、自然に対する畏怖から、鎮守として祠を置き八百万の神を祀り、その周りを鎮守の森で覆った。こうしたすべてを利用し尽くさない考え方は日本人の自然との共生の姿を表しており、里地里山も、利用し過ぎないための地域独自の決まりや仕組みがあり、現在でも山菜を採るときに来年以降を考え一部を残す人たちはたくさんいる。これから自然と共生する社会、ライフスタイルを築いていくためには、こうした限りある自然や資源を大切にしてきた伝統的な智恵や自然観を学ぶことが必要 。

 日常的に自然と接触する機会がなく、自然との付き合い方を知らない子どもたちも増えてい る。自然の中で遊び、自然と密接に関わることを知らないまま育つことが、精神的な不安定が生じる割合を高める。豊かな自然に接し、学ぶ機会を子どもたちに提供することが、次世代を担う子どもたちの健全な成長のために必要。

 

  ご飯、野菜、魚、肉、木材などは、水田、森林、海などからもたらされる。日本人は、食料6割、魚介類5割、木材8割を海外から輸入、暮らしが世界の自然資源・生物多様性の恵みの上に成り立っている。世界的には、過剰耕作・放牧など資源収奪的生産による土地劣化、過剰・違法伐採、火災による森林の減少・劣化、過剰な漁獲による海洋生物資源減少などの生物多様性の損失が懸念される中、地球規模の視野に立ち、窒素循環などの物質収支、自然環境や資源の持続的利用の実現に努力する必要がある」
                                     第三次生物多様性国家戦略

 

    良い田んぼか悪い田んぼかは、生き物が決めてくれる

 「コウノトリは里山で暮らし、田んぼや川のドジョウやトンボを餌にする。コウノトリ1羽が生きていくためには4haの田んぼが必要とされる」      日経エコロジー 2007年10月
 「コウノトリ育む農法の田んぼ @栽培時に化学肥料を使わない A無農薬・減農薬にする B水管理をして、田んぼに7月半ばまで水を張る。そうするとオタマジャクシがカエルに、ヤゴがトンボになり、コウノトリの餌が増える。通常の田んぼより圧倒的に水生生物が多く、生物多様性に富む」                              兵庫県
 「生物多様性を考えた栽培方法だ」                 堀田和則

 「今も雑草と格闘している。除草機を入れるか、手で取るしかないと覚悟を決めた。手間ひまはかかるが、それでもこの農法は続けたい。朝起きたら自分の田んぼにコウノトリが降りている。『うちの田んぼにはおる』、『うちのにはいない』と農家の間でも話題に上る。良い田んぼか悪い田んぼかは、生き物が決めてくれる。最近は、米の付加価値が上がる、経済効果があるからコウノトリ育む農法に取り組むという農家も増えた」       畷悦喜
 「『コウノトリ育むお米』は2006年産が6300万円の売上で、2007年産は1億3000万円を見込む。今年は無農薬・減農薬の田んぼが102haに上った」                     JAたじま

 

 「割り箸はもともと樽や桶の端材の有効利用として生産が始まった。現在では9割以上が海外産、ほとんどが中国産で、日本に輸出される割り箸用木材は0.09%。割り箸の素材は植林されたマツなど。熱帯諸国の木材輸出量に占める割り箸用木材比率は0.8%以下(1990年)。健全な林業発展のためには確実な需要が必要で、端材も含め無駄なく商品化し、収益を上げてこそ、持続可能な林業が実現でき、森林保護につながる」                                         田中淳夫

 「日本には、世界の焼却炉の実に2 /3である約1300基が存在(2005年)し、一般家庭からは、年間5000万トンものゴミが排出されます。エネルギー・質量保存の法則は、この大量の物質が、燃やしても埋めても消滅しないことを示しています。エントロピー増大の法則は、ゴミの焼却によって生じた有害物質、焼却灰といった人工物質の物エントロピーが自然の中で循環されず残り続け、またゴミ処理にさらなる燃料などの資源を使うことが熱エントロピーをますます増加させ、地球エンジンを熱死へと向かわせ、その歩みを加速させていると警告しています」                             広瀬立成

 

 日本の国技は、ゴルフ場1箇所よりも遥かに自然に対する負荷が少ない。そもそも自然の恵みに感謝することが起源。西洋文明と東洋文明の自然観の違いです。地球温暖化、生物多様性の観点からも、西洋文明の行き詰まりは明白。ゴルフ場に化石賞を贈らないといけない。これまでの生き方では、地球がもたない。尊皇攘夷じゃないけれど、新しいかたちの洗練された世界文明のお手本が必要。ポスト資本主義社会は、幸せ主義社会とでも呼ぶべきものです。ヒトの幸せにとってプラスなら断固として推し進める、マイナスなら即座にやめる、そういう社会です。時間がない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

里山  Satoyama


 

 

 

     
 

箱根 生命の星・地球博物館





 
 

   VOL.81             2003.12.1

 

        レッド・データ

 

 「わが国に生息・生育する動植物に絶滅のおそれが新たに生じないようにする」
                                     日本国政府 生物多様性国家戦略

 本日は、環境省自然環境局野生生物課「改訂・日本の絶滅のおそれのある野生生物
― レッドデータブック ―」から         http://www.iucn.org/  http://www.biodic.go.jp/

 「地球上の生物は、既知のものだけで約140万種、未知の種を合わせると3千万種とも5千万種とも言われ、そのうち毎年4万種が絶滅しているとも言われている」
 「我が国の国土は南北に約3000kmに及ぶ大小多数の島嶼群であり、亜寒帯から亜熱帯までを含んでいる。地形は起伏に富み、河川、平野、盆地、山地など多様な環境を有している。このような変化に富んだ環境は多様な野生生物に生息・生育の場を提供しており、確認されている野生生物種は約9万種にものぼる」
 「多様な野生生物種が絶滅することなく生息・生育し続けること、つまり種の多様性が確保されていることは、人類の生存基盤である自然生態系を健全に保持するための必要不可欠の条件である」
 「日本産野生維管束植物(約7,000種)の約24%、1,665分類群が絶滅危惧種」
 「野生生物の生息状況は常に変化しており、その評価は定期的に見直すことが不可欠である」                             環境省自然環境局野生生物課

 「爬虫類が全盛を極めていた中生代には哺乳類は小型で少数派に過ぎなかった」
 「哺乳類の特徴は温血性で、体毛を持ち、活動性が高い。子は親の雛形として生まれ、幼弱期は母乳で育てられる」
 「日本列島に分布する哺乳類は、生物地理学的には2群から構成されている。トカラ列島以北に分布する、ユーラシア大陸北部に広く分布する哺乳類に類縁を持つものと、南の南西諸島(奄美諸島以南)に分布する、中国南部からヒマラヤ山脈の南側などを含む東南アジアに起源するものである。対馬では朝鮮半島や中国大陸系の種が加わり、北海道ではサハリンやシベリア大陸系の種が加わっている」
 「日本産哺乳類のうち今回(1998年)の評価対象となった在来種は180種・亜種であり、その26.7%の48種・亜種が絶滅のおそれのある種とされた」                      阿部永

 「1億5000万年前には始祖鳥が出現、その後多くは飛翔や遊泳をする生活に適した形態になった。現生の鳥類は約8500種、わが国で記録されているのは542種」
 「日本が南北に長いことを反映し、南方系・北方系両方の種が生息しており、主に温帯に位置するために留鳥より冬鳥、夏鳥、旅鳥といった渡り鳥が多い。また森林面積が多いため森林性鳥類が多く、日本で繁殖する陸の鳥類約150種のうち約100種は森林性または樹木に営巣する。灌木草原性の鳥は30種前後である」
 「レッドデータブック(1998年)にあげられた鳥類は137種・亜種である」
 「絶滅危惧種の4種・亜種は、保護増殖事業を停止した場合には生息数は急激に減少すると考えられる」
 「絶滅危惧種と危急種の数(1991年)、絶滅危惧類T類とU類の数(1998年)の比較では、54から89へと約65%も増えている」                                藤巻裕蔵

 「人間による環境破壊の影響で、両生類の場合ほどではないが、日本の爬虫類もここ半世紀の間に個体数がいちじるしく減少した。多くの爬虫類は肉食性であり、食物連鎖の上部に位置するので、餌食となる小動物の減少が直接その衰退につながる。国外ないしは他の地方から移入された肉食動物が、在来種の存続に対する大きい脅威になり、とくに島嶼の場合にその傾向がいちじるしい。人間による採集圧は深刻で、ペットブームのために個体数の少ないものほど珍重される傾向があり、密猟が盛んに行われている。前回(1991年)に比べて絶滅危惧種が大幅に増え、絶滅危惧T類は1から7に、絶滅危惧U類は2から11に増加した」                                        上野俊一

 「淡水域は海水域に比べごく狭小だが、そこで全生涯あるいは生活史の一部を過ごす魚類は、地球上に出現する全魚種約24,000種の3分の1以上にも達する」
 「日本原産の汽水・淡水魚類の種数は272種・亜種、その生息地は多くの場合狭小で、人里近くにあるため人間の営為の影響を直接受けやすく、生息環境は容易に劣化、消滅する。さらに外来魚種による生態的圧迫・捕食などが加わって、減少傾向は依然として顕著である。絶滅のおそれのある種は76種・亜種で、約28%にあたる。その中に、メダカなどの日本人にはごく身近な存在で、いまでも普通に生息していると思われていた種があげられたことは特筆に値しよう」
 「選定された種・亜種が現在生息している環境は、残された数少ない良好な生息環境であり、それらを評価・分析することにより、汽水・淡水魚類全般にわたる効果的な保護方策の検討が望まれる」 多紀保彦

 

 あの美しい淡い紅色のさくら草、鷺草、のじこ、あじさし…・みんな絶滅危惧種です。毎年4万種が絶滅してるって、一日あたり110種ですよ、一体あと何年もつ? 自然は絶滅に向かって進んでいる。山なくなる、昆虫なくなる、それ食糧としてる鳥がなくなる。ワシ・タカ類もほとんどいなくなってる。万物が育たない。動物が生きられない。まして狭い日本、一直線で5時間、1時間にしてみて何になりますか。それよりも自然。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

レッド・データ

 

 

 

 情報源

30年で自然の3割が減少 生きている地球レポート 地球環境の今  WWFジャパン
Videos - An Ocean of Truth  Videos - Richard Branson on Climate Change  コンサベーション・インターナショナル
AKAYAプロジェクト 渓流環境復元のための治山ダム撤去工事が始まりました
日本自然保護協会〜NACS-J - THE NATURE CONSERVATION SOCIETY OF JAPAN
生物多様性・COP10とは  生物多様性条約第10回締約国会議支援実行委員会公式ウェブサイト
生物多様性とは  生物多様性 -Biodiversity- 環境省 自然環境局 自然環境計画課 生物多様性地球戦略企画室

Nature 今週のハイライト 危機にある生物多様性 DARWIN 200特集:『種の起源』から150年後の種の状況

EICネット[海外環境ニュース - IUCN 2009年版レッドリストを公表]
焦点は「ポスト2010年目標」 企業への影響は?―1年後に迫った名古屋会議展望:ECO JAPAN −成長と共生の未来へ−
大企業の苦悩 トヨタに対応迫る希少生物:ECO JAPAN −成長と共生の未来へ−
こんな活動をしたよ こどもエコクラブくしろ  ExTEND 2005に基づく身近な野生生物の観察業務

生態系保全が温暖化を緩和する時代に:ECO JAPAN −成長と共生の未来へ−

森林における生物多様性の保全及び持続可能な利用の推進方策について Rinya 林野  2009.8

理解者増やし、都市に里山を:ECO JAPAN −成長と共生の未来へ−

三井物産の森における生物多様性の評価結果 - 三井物産株式会社

「干潟は“渋谷”のように面白い」の巻:ECO JAPAN −成長と共生の未来へ−

始まる生物多様性オフセット 生態系の価値を定量化して相殺:  ECO JAPAN −成長と共生の未来へ−

ガイドラインが続々登場 企業はどう生物多様性に取り組むか

Many of Europe's most vulnerable species and habitats under threat

生物種の減少抑制、2010年までの目標達成は不可 IUCN

反響呼ぶ生物多様性の経済価値分析―TEEB中間報告解説 古田尚也:連続解説「生物多様性と世界と日本」

 

Interview with Professor Jose Sarukhan Kermez 18/5/09

 

いきものみっけ みんなでいきものみっけよう! いきものみっけて、くらしを変える。−生物多様性からみた地球温暖化−

資源国の悲惨が指し示す人類の危機  谷口正次:資源ウォーズと地球と生態系

多様であることが激変する環境で生存する条件  月尾嘉男の『環境革命の真相』   ECO JAPAN 成長と共生の未来へ

Love Earth  環境省  生物多様性センター  生物多様性白書  EICネット  農林水産省  国土交通省  全国の動物園・水族館へ

Wikipedia  

 

 

 

 

 


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